《 CG画像を絵っぽく仕上げる-(1)》 |
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まずはじめに、CG画像を提供して下さった樽谷明彦さん(樽谷工務店 代表)に深く感謝申し上げます。 さて、今回使わせていただくのはお寺のCG画像です。ご本人曰くだいぶ前の作品であり解像度の高い画像が残っていなかったということで 横1500pixelsのテストレンダリングに使用した画像 (JPEG)を提供いただきました。 数点の中から一番アングルが気に入ったものを選ばせていただきました。 このような作業をする上では、贅沢を言えば解像度がより高く、 また部位ごとに別レイヤーに分けてあったり、 マスクが切ってあっ たり・・に越したことはありません。 しかしながら業務上での別の観点に立てば、それはオリジナル作者の著作者権利問題にも関りがある可能性もあり、 それが蔑ろにされがちな現代の風潮にはどうも首を傾げてしまうことも確かです。慎重な姿勢が必要かもしれません。 今回の例はオリジナル作者の了解の上での作業であることは申すまでもありません。 こうしたコラボレイションもありと云うことでご覧いただければ幸いです。 |
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1.オリジナルの画像です。 |
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樽谷氏によるモデリングはたいへん素晴らしく細かなところまで見事に 考察が行き届いており、さすがと思うものです。特に屋根、組み物の正確さには驚くばかりです。この辺りの制作にはかなりの知識が必要とされるところです。 今回私が作業させていただくのは、主に添景となりますのでまず背景の白を抜くところから始めます。 |
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2.背景を抜いた画像 |
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3.”絵”にする構想(ラフ描き) |
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4.添景樹木(背景)を描く |
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空です。真っ青な晴天というよりやや曇りがちのイメージを想定することにします。 色は作業ファイルに持って行ってから調整しますので、ざっくりと・・ 画材: 水彩 用紙:コットマン |
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背景の山です。 白い部分は切り取っておきます。特に空との界は丁寧に抜きます。 ただ山は遠方ですので固いラインにならないようにします。 空と山、もちろん一緒に描くという手もありますが後の色調整のため別にしておきました。 画材: 水彩 用紙:コットマン |
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近景の樹木です 白い部分は切抜いておきます。こうした細かなエッジを持った画像は フィルターの「抽出」を使って抜くことが多いです。 画材: 水彩 用紙:アルシュ(大木)、コットマン(低木) *用紙が違うのはたまたまです。 |
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5.さて準備完了ですので画像を組み合わせてみます |
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6.調整後です。 | ||
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7.さらに調整です。 |
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背景の山の位置をずらしたり色彩の調整をしたり・・・ 背景画像に「ぼかし」を2回くらい加えたでしょうか。 |
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8.屋根をいじる。 |
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クィックマスクモードにして、余分な部分を消したり加えたり。 |
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作ったマスクを使用し トーンカーブで屋根瓦がよりそれらしく見えるように調整します。(コントラスト強くしてます)他に色相彩度の調整もします。 もちろんそれだけでは済みません。乗算レイヤーやハードライトレイヤーを載せてタッチアップします。ここいら辺は詳しく書きますと永ぁ~くなりますので省略します。 ”ひたすら力技 ”ということで・・・ |
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9.屋根をいじり、その他も・・・。 | ||
屋根瓦の調整を済まし 柱の面のコントラストや社務所の影の調整、灯籠、杯鉢や礎石、回廊の下の影、樹木の影、地面が自然に見えるようタッチを入れたり、さまざまな調整をします。 ついでに(ついででは無いのですが)左手前の近景低木を入れます。 |
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そして本堂の軒下に影を描き込みます。 乗算レイヤーに描き込みます。 この行程だけで グッと絵が締まりました。 |
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わかりづらいので影のレイヤーを”通常”に表示したものを載せておきます。 軒深い上部を暗くしてあるのがわかります。 |
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10.僧侶を入れて(鳥も)・・・完成です |
3人の僧侶は水彩画で別に描いたものです。影を入れるのも忘れないように・・・と |
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最後にもう少し全体の調子を馴染ませたものを |